顕彰事業

(2010年)
第53回 十大新製品賞 中堅・中小企業賞

新製品技術

固定砥粒ワイヤーカッティングマシン T- 8252B (トーヨーエイテック)

 トーヨーエイテックの太陽電池用シリコンインゴットのワイヤカッティングマシンは、固定砥粒(とりゅう)に対応したタイプ。スラリーを流しながら切断する遊離砥粒方式から、より高速で歩留まりの高い固定砥粒タイプに移行するものと見られ、同機は世界に先駆け量産ベースでの切断を可能にした。

 ワイヤの平均走行速度は最高毎分1200メートルで125ミリメートル角のインゴットの場合、毎分1ミリメートル以上の切断能力を持つ。1台で月産35万枚以上のウエハーを生産でき、生産性は3倍に達するという。

 さらに精度面でも厚みのバラつきを示すTTVが10マイクロメートル(マイクロは100万分の1)以下と低く、歩留まり98%以上を達成した。反りは15マイクロメートル以下で後工程での割れを削減した。ランニングコストもワイヤ使用量で1枚当たり1.5メートル以下に抑えた。月産10台からスタートしたが、需要の急増で2010年12月から同20台へ倍増させた。

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