新高性能ダイカスト金型用鋼　DAC-MAGIC　（日立金属）

　ダイカスト金型用鋼材の新製品。ダイカスト金型は、高温の溶けたアルミニウムが流れ込み何度も加熱と冷却を繰り返す、鋼材の使用環境としては過酷なもの。加えて金型の使用現場からはサイクルタイムの短縮が求められており、過酷さの度合いは増す傾向にある。熱による膨張と収縮を何度も繰り返すことでヒートクラックと呼ばれる熱によるひび割れが発生しやすく、金型の寿命を短くする原因になっていた。靱（じん）性を高めればひび割れを抑えられるが、高温での強度が落ちるという問題があった。

　ＤＡＣ―ＭＡＧＩＣは鋼材中の微量元素を最適化することで、靱性と高温強度を同時に高めることに成功。ひび割れが発生するまでの金型使用回数は従来鋼の１．５―２倍に伸びた。ダイカスト金型は数千万円もする高価なもの。その寿命を飛躍的に伸ばしたことは、自動車などの生産コスト低減に大きく貢献するとして評価されている。