冷媒自然循環システムを導入したモジュール型データセンタ（日立製作所／日立プラントテクノロジー）

　省スペース、省電力なデータセンターを構築できるのが特徴だ。モジュール型とは、サーバなどのＩＴ機器を搭載したラックや冷却装置などを小規模なモジュール内に配置して、稼働効率を最大にする方法。設置面積は従来型より最大７５％削減できる。最小約２２平方メートルの小規模な単位から構築でき、柔軟に拡張できる。モジュール内の温度や湿度、消費電力量の一元管理も可能。

　冷媒の自然循環システムは、設備の高低差を生かす。ＩＴ機器の熱を吸収した冷媒が気化し上昇する力と、熱交換器により冷却された冷媒が液化して下降する力を活用し、コンプレッサーなどの動力源がなくても冷媒を自然に循環できる。一般的な空調方法に比べて最大６７％の電力削減になる。外気冷房が１０度Ｃ以下の場合、気化した冷媒を外気のみで冷やすシステムを利用できる。チラーを稼働する必要がなく、消費電力をいっそう削減できる。