顕彰事業

(2020年)
第50回 機械工業デザイン賞IDEA 入賞

工業製品機械デザイン

7トン級油圧ショベルSK75SR-7 (コベルコ建機)

 生産性と機能性に加え、オペレーターの快適性を向上させた後方超小旋回ショベル。エンジン出力を上げて登坂走行速度を27%、アーム掘削速度を15%それぞれアップした。独自技術のエンジン冷却システムで防じん、低騒音を実現する一方、先進的な外観デザインと上質感漂うインテリアを兼ね備えることによって独創性を打ち出した。

開発者コメント

技術開発本部 ショベル開発部 中型ショベル開発グループ マネージャー 西本 裕章
技術開発本部 生産設計部 内装部品開発グループ グループ長 崎谷 慎太郎
技術開発本部 生産設計部 上部旋回体開発グループ マネージャー 塚本 大徳
技術開発本部 生産設計部 内装デザイン開発Gr 山本 圭司
技術開発本部 システム・コンポーネント開発部 ショベル統合システム開発Gr 鶴田 純

1. 開発の発端となった最も重要な課題はどのようなことでしょうか。
 我々が「都市型ショベル」というコンセプトで世に出した従来のSRは、小回りが利き、燃費も良いが力強さが無いというのが大半の評価でした。しかし、機械を力強くかつ速くすることはその分、負担や衝撃も大きくなるため、快適性も重視しなければならず生産性と快適性を両立しなければならないという課題がありました。

2. 課題解決までのご苦労と、ブレークスルーのポイントをお教えください。
 機械の力強さと居住空間としての心地のよさを両立させるために、数年間に渡って筋電位の計測を行ってきました。さらに、広島大学との共同研究によって疲れない姿勢を数値化することに成功し、このデータをもとに操作ポジションやスイッチのレイアウトを一新することで生産性と快適性を融合することに成功しました。

3. 技術者として、ユーザーに向けたメッセージをお願いします。
 従来機よりもアーム掘削力15%、登坂速度26.9%向上、掘削サイクルタイムも12%短縮を実現し、これまでのSRではできなかったことができるようになりました。
 また、どんな体格の方でも姿勢を崩すことなく、快適に長時間運転していただける上に、カメラと大型モニターによって安全でストレスなく作業をしていただける自信作です。

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