顕彰事業

(2007年)
第50回 十大新製品賞 本賞

新製品技術

DNA/RNA 分析用マイクロチップ電気泳動装置 MCE-202「MultiNA」 (島津製作所)

 デオキシリボ核酸(DNA)とリボ核酸(RNA)の長さ(分離サイズ)を分析する「マルチナ」。処理を完全自動化したマイクロチップ電気泳動装置と再利用可能なチップを組み合わせることで、簡便でランニングコストの低いシステムを実現した。

 再利用可能なマイクロチップを開発する一方、核酸の長さに合わせた試薬を用意し、ランニングコストを低減した。同コストはアガロースゲル電気泳動法と同等以下。同レベルのマイクロチップ電気泳動装置との比較では4分の1以下を達成している。

 さらに分析内容の事前登録によって分析作業は120回まで完全な自動化が可能。設定した分量の試薬が自動注入されるため、無駄やデータのバラつきなども防げる。

 DNAやRNAの核酸試料の前処理工程では試料の長さ確認や大まかな定量が行われる。分析の主流は安価なアガロース法だが、全工程手作業という難点があった。一方、マイクロチップ装置は一連の処理工程の自動化で利便性を向上したが、高ランニングコストという課題を残していた。

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