セミナー

異種材接着を実際に行うための
高信頼性・高品質接着の作り込み法
-作り込みの目標値と達成法から内部応力低減法、耐久性、強度設計法まで-

開催主旨

 自動車を始めとして各種機器の軽量化のためのマルチマテリアル化が進んでおり、各種の異種材料接合法が開発・提案されています。広範囲な材料を簡易に接合できる接着接合もその一つです。しかし、接着接合法を実際に採用するためには種々の検討が必要です。

 本講座は、接着を用いて信頼性・品質・コストに優れた異種材接合を実際に行うために必要なことは何か、どうすればよいのかを具体的・実践的に説明するものです。

 まず、開発段階で達成すべき必要条件とその目標値を明確に示し、どうやって達成するかを接着のメカニズムから説明します。次に、異種材接着での最大の課題である『内部応力』の種類と発生メカニズムから低減策も詳しく説明します。さらに、劣化のメカニズムと耐久性評価のポイント、ばらつき・内部破壊・劣化・安全率などを考慮して必要継手強度を簡易に見積る設計法も説明します。

 50年間にわたって、接着剤を用いた機器組立における品質向上と信頼性保証に取組んできた講師が、自ら取得した豊富なデーターと経験に基づいてわかりやすく説明するので、初心者からベテラン技術者まで、広範な技術者に、それぞれのレベルで、有意義な知識と考え方を習得いただくことができます。

※受講された方には、無料・無期限で、本講座に関するメールでの技術的質問にお答えします。

【受講対象者】
・部品・機器の設計・生産・品質関係技術者
・これから接着に関わる技術者、すでに実務で接着に携わっている技術者、接着で問題を有している技術者など、初心者から中堅技術者まで
・部品・機器組立用接着剤メーカーの技術者

【習得できる知識】
・高信頼性・高品質接着達成のための基本条件と目標値
・接着のメカニズムと目標値の達成方法
・接着の内部応力と低減法
・劣化のメカニズムと評価のポイント
・初期に必要な接着部の強度とばらつきの求め方

概要

日時 2024年 7月 22日(月)10:00~17:00
(9:30 受付開始 休憩12:30~13:30)
会場 日刊工業新聞社 西日本支社 セミナー会場
※会場には受講者用の駐車場が有りません。必ず最寄りの公共交通機関でご来場ください。
※当日の録音・録画は固くおことわり申し上げます。
受講料

お一人様:46,200円(資料含む、消費税込)

受講にあたり
開催決定後、受講票並び請求書を郵送またはメール(PDFファイル)にてお送り致します。
申込者が最少催行人数に達していない講座の場合、開催を見送りとさせて頂くことがございます。(担当者より一週間前を目途にご連絡致します。)
受講料
振込手数料は貴社でご負担願います。
キャンセルについて
開催日1週間前までの受付とさせて頂きます。1週間前までにご連絡がない場合はご欠席の方もキャンセル料として受講料全額を頂きます。

主催 日刊工業新聞社
問い合わせ先 日刊工業新聞社 総合事業局
セミナー事業部
TEL: 03-5644-7222
FAX: 03-5644-7215
E-mail : j-seminar@media.nikkan.co.jp
TEL受付時間:平日(土・日・祝日除く) 9:30-17:30

講師

原賀 康介 氏

会場アクセス

日刊工業新聞社 西日本支社
セミナー会場
大阪市中央区北浜東2-16
セミナー会場案内図

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プログラム

第1章 ⾼信頼性・⾼品質接着の作り込みの必須条件と開発段階で達成すべき目標値
1.高信頼性・高品質接着とは
2.必須条件と開発段階での作り込みの目標値
(1)凝集破壊率をどのくらいにすべきか
  凝集破壊率、界面破壊が生じる理由、内部破壊
(2)ばらつきをどの程度に抑えるべきか
  変動係数、凝集破壊率と変動係数の関係、
(3)初期に必要な接着強度を確保する
第2章 接着のメカニズムと目標値達成のための方法
1.接着の過程
2.接着のメカニズム
(1)分子間力
(2)どうやって分子間の距離を近づけるか
(3)分子間力を左右する表面自由エネルギー(表面張力)
(4)各種材料の表面張力と接着のし易さ
(5)必要な表面張力はどのくらいか、測定法は
3.表面張力を高くする表面改質
(1)目的
(2)表面改質法 ―ドライシステム―
(3)改質メカニズム
(4)改質事例
(5)表面改質時の湿度の影響
(6)改質後の接着可能時間
4.プライマー、カップリング剤処理の効果と注意点
5.表面粗面化の効果とマイナス効果
6.接着の脆弱箇所はどこか
第3章 異種材接着の重要課題:「内部応力」
1.内部応力で生じる不具合
2.内部応力の種類と発生メカニズム
(1)硬化収縮応カ
(2)加熱硬化後の冷却による熱収縮応力
(3)使用中の温度変化による熱応力
(4)吸水膨潤応力
(5)被着材の変形による応力
3.応力緩和
(1)粘弾性特性
(2)応力緩和のメカニズム
4.異種材接着における内部応力による不具合
(1)各種の変形のモード
(2)嵌合接着における不具合
5.内部応力に影響するその他の因子
(1)接着部の構造
(2)接着剤の塗布量、塗布位置
(3)接着剤の物性、部品の厚さ(剛性)
(4)接着剤の短時間硬化、後硬化
6.内部応力の評価法
7.内部応力の低減策
第4章 接着耐久性
1.接着接合部における劣化箇所
2.代表的な劣化の要因
3.接着劣化のメカニズム
(1)熱劣化
(2)水分劣化
(3)光劣化
(4)クリープ劣化
(5)冷熱サイクル劣化
4.耐久性評価における注意点
(1)水分劣化における接着部の形状・寸法の影響
(2)吸水後の乾燥による接着強度の回復(乾燥可逆性)
(3)応力と水分の複合劣化
(4)冷熱繰り返しデータの考え方
(5)繰り返し疲労試験に影響する因子
5.耐久性評価試験の目的と種類
6.接着耐久性の長期寿命予測法
(1)寿命予測の鉄則
(2)長期劣化の予測法
  熱劣化、水分劣化、屋外暴露、クリープ劣化、疲労耐久性
第5章 初期の接着部の必要強度、必要Cv値を簡易に見積もる『Cv接着設計法』
1.『Cv接着設計法』とは
2.『Cv接着設計法』の構成要素と考え方
(1)許容不良率
(2)ばらつき
(3)劣化
(4)内部破壊
(5)使用温度
(6)安全率
(7)負荷荷重
3.初期の必要強度とCv値の算出式
4.計算例
5.Excel計算シート

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