顕彰事業

(2009年)
第52回 十大新製品賞 モノづくり賞

新製品技術

不揮発ロジックカウンタ IC BU70013TL (ローム)

 電源オフ後もデータを保持し、電源オン時に電源オフ直前状態から動作を再開できる不揮発性のカウンターIC(集積回路)。電源の完全オフ化が可能で、待機時の消費電力をゼロにできる。従来、部分的に回路の電源をオフにして消費電力を削減するICはあったが、データ記憶用回路の電源は切れなかった。

 電力やガスなどのインフラ用メーター機器で採用を見込む。現在サンプル出荷中で、2010年4月から量産を始める。

 レジスタ(演算途中データなどを一時保持する記憶領域)内に、電源遮断時でも演算処理状況を保持する強誘電体素子を実装し、不揮発化した。ロジックの処理性能を保つため、電源オン・オフの瞬間のみ同素子を使用する。動作中に電源が遮断してもカウント値が保持でき、バッテリーによるバックアップが不要。

 量産化で課題だった信頼性を確保するため、レジスタ内にシンプルな特性評価回路を実装。同素子を評価する機構も開発し、回路面積を抑えた。

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