顕彰事業
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(2011年)
第54回 十大新製品賞 本賞
新製品技術
スポットスキャニング照射方式を搭載した 「 陽子線治療システムPROBEAT-Ⅲ 」(株式会社 日立製作所)
がん患部を特定して 陽子線スポット照射
日立製作所は、がん患部を特定して陽子線を照射する「スポットスキャニング方式」を世界で初めて開発。この機能を搭載した陽子線治療システム「PROBEAT―III」を2011年2月に発売した。
がん治療法として陽子線で患部を壊死(えし)させたり増殖能力を失わせる手法が注目されている。ただ従来の治療器では表皮から患部までの健全細胞への悪影響が避けられない。
スポットスキャニング技術は、加速度を加減することで陽子の線量放出ピークを体内の任意の位置に設定できるのが特徴。臓器など患部が動くケースでも動態追跡を併用して照射が可能。3次元的に患部を特定できるため健全部の被ばくを最小限に抑えられる。
さらに陽子線の振り幅を従来方式の150ミリメートル角を大きく上回る最大280ミリメートル角に拡大。患者の負担や装備替えの手間を軽減した。すでに内外で複数の病院から受注している。