顕彰事業

(2012年)
第55回 十大新製品賞 本賞

新製品技術

サーボトランスファープレスシステム (アイダエンジニアリング株式会社)

複雑な動きを自動演算、周辺装置を長寿命化

 サーボトランスファープレスで、振り子運転と呼ばれるプレスの複雑なストロークと、プレス機内で製品を次工程に送る搬送装置を同期した大型機。加圧能力3000トン機で自動車骨格パネル(高張力鋼板)を生産した場合、生産性を最高1.5倍の毎分40個にできる。大型機で世界初のシステムという。

 振り子運転は生産性を高めるため、サーボモーターを細かく正転・逆回転させてストロークを最適化する。プレス機内の搬送装置も生産性を上げるため、プレスを止めずに製品を次工程に送るが、これまで振り子の運転の複雑な動きに合わせた動作が難しかった。

 開発したプレス機は双方の動きを自動演算し、搬送装置がストロークに対し滑らかに追従。高張力鋼板の絞り性や形状凍結性の向上、プレスや金型、周辺装置を長寿命化する。

 メーンモーターの電力回路に回生電力装置を設け、加減速時のエネルギーを有効利用するなどで、回生エネルギー効率を約80%とした。

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