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(2012年)
第55回 十大新製品賞 本賞
新製品技術
酸化物半導体(IGZO)採用の液晶パネルの量産化 (シャープ株式会社)
TFTを小型化、2倍の高精細表示
世界で初めて、酸化物半導体(IGZO)を採用した液晶パネルを量産することに成功した。半導体エネルギー研究所と共同開発した。亀山第2工場や天理工場で生産しており、スマートフォン(多機能携帯電話)やタブレット端末(携帯型情報端末)、高精細ノートパソコンなど、生産品目の拡大を計画中だ。
薄膜トランジスタ(TFT)の材料として主流のアモルファスシリコンにかわりIGZOを採用。IGZOの電子移動度はアモルファスシリコンの20―50倍で、TFTの小型化や配線の細線化が可能となり、パネルの透過率が高まる。この結果、従来比2倍の高精細表示を実現する。
リーク電流が極めて低く、電流OFFの状態でも画面を表示し続ける。駆動しない休止期間を設けた新規駆動方式により、アモルファスシリコンTFT液晶に比べて5分の1から10分の1の低消費電力を実現するほか、タッチパネルを高性能化する。スムーズな操作を楽しめ、デジタル機器の飛躍的な省エネルギーにも貢献する。