顕彰事業
(2020年)
第50回 機械工業デザイン賞IDEA 入賞
工業製品機械デザイン
モーターグレーダー GD405-7 (コマツ)
小規模な道路工事や住宅街の除雪作業など、さまざまな現場で使われる3・1メートルブレードサイズの整地用自走式産業車両(グレーダー)。従来機よりフロア高さを17センチメートル高くして、着座位置からでも立ち姿勢のように前方が見渡せるようにした。電気式作業レバーによって、腕の動きを最大92%低減。ひじを置いたまま操作ができる。
開発者コメント
開発本部車両第三開発センタ車両開発グループ チーム長 武隈 規敏
商品企画本部商品企画室デザイングループ 主任技師 木下 隼人
1. 開発の発端となった最も重要な課題はどのようなことでしょうか。
元々、国内においては狭い路地の除雪や道路整備に活躍できるコンパクトなモータグレーダに対する需要が高く、コマツが旧型機の生産を中止して以来、お客様より復活要望を頂いていた。開発スタートに際し、現代の作業環境に適合し、且つ、新しい世代のオペレータの方々が快適・容易に運転操作が可能な新型のモータグレーダが必要だと感じていた。
2. 課題解決までのご苦労と、ブレークスルーのポイントをお教えください。
デザインコンセプトに、『ストレスフリー・キャブ』を設定。従来の機械式から電気式の作業機レバーに変更したことにより、運転操作性を各段に向上させたほか、アクセス容易なスイッチレイアウト、快適な空調を可能にするエアコン吹き出し口など、ユーザーの身になって、オペレータキャビン内の環境を大幅に改善した。これらのデザインにより、実際の作業環境において本当に使いやすい製品を実現することが出来た。また外観の意匠形状は、除雪や道路整備といった社会インフラの保持の担い手にふさわしい、近代的で落ち着いたスタイリングを目指した。
3. 技術者として、ユーザーに向けたメッセージをお願いします。
開発中は何かと苦労が絶えなかったが、関連企業、関連部門の皆様方のご協力のお蔭で、自信のある製品を世に送り出すことが出来た。本製品が社会的に必要とされる場所で、人々の生活の役に立つ姿を見られることに、大きな喜びを感じている。