顕彰事業
(2020年)
第50回 機械工業デザイン賞IDEA 入賞
工業製品機械デザイン
CNC三次元測定機 MiSTAR 555 (ミツトヨ)
製造ラインに組み込んで使用する。温度変化に強い構造体を採用するなど耐環境性を向上し、測定器のサイズを小型化。塵やオイルミストなどによる汚れに強く、広さが限定されたスペースでも稼働する。また、計測ネットワークシステムを新たに開発。計測データの一元管理のほか、測定機の稼働状況の監視や予防保全をする。
開発者コメント
宇都宮事業所 MC工場 商品設計部 1課 係長 大山 良和
1. 開発の発端となった最も重要な課題はどのようなことでしょうか。
製品の高性能・高品質化が進む中、製造ラインサイドに設置でき、専用ゲージに代わり加工後すぐに測定できる三次元測定機が求められています。ただし、製造ラインには様々な環境があり、タクト時間の短縮、且つ安全面の配慮も必要なので、現場環境内での精度・稼働の信頼性、測定効率、安全性を高いレベルで実現することが重要です。
2. 課題解決までのご苦労と、ブレークスルーのポイントをお教えください。
様々な環境の製造ラインにおいて信頼性の高い、高精度・高速測定が行えるよう、均一材質の温度変化に強い構造体を採用することにより、広い精度保証温度(10~40℃)を実現しました。また、FEM構造解析による小型化設計、高精度リニアガイド採用によるエア不使用(100V電源のみで稼働)により、幅広い設置環境を実現しました。
3. 技術者として、ユーザーに向けたメッセージをお願いします。
一から構造・制御設計を見直し、優れた耐環境性能・ダウンタイム低減・測定時間の短縮を実現、外部機器との接続を容易にして安全性を確保しました。また、X軸を片持ち構造にするなど、設計者とデザイナーで協力して使い易さも追及したデザインです。数々の実験・検証を重ね、信頼性の高い商品が開発できましたので、ぜひ実機でご確認ください。