顕彰事業
(2020年)
第50回 機械工業デザイン賞IDEA 入賞
工業製品機械デザイン
移乗サポートロボット Hug T1-02 (FUJI)
腰掛けた状態から立ち上がる、立ち上がった状態から腰掛ける、など要介護者のベッドから車いすなどへの移動を助ける移乗サポートロボット。人の動作を自然に再現し、要介護者の残った脚力を最大限に使える。重量35キログラム、価格98万円(消費税抜き)と前モデルよりそれぞれ半減し、介護施設や病院での導入や扱いを容易にした。
開発者コメント
技術開発部第2課 課長 中根 伸幸
1. 開発の発端となった最も重要な課題はどのようなことでしょうか。
介護現場において人を抱えあげる負荷を軽減するため、これまでも多くの支援機器が開発されてきました。
しかしながら、利用者本人の動きに合わないもの、機能が複雑なもの、手間がかかるもの、は介護現場へ定着しないケースは多くありました。
支援機器として役に立ち、かつ受け入れやすい機器が求められてきました。
2. 課題解決までのご苦労と、ブレークスルーのポイントをお教えください。
介護士・利用者ともに受け入れやすい外観デザインに一新。価格・重量においても旧モデルの半分に抑え、使い勝手、導入しやすさを向上しました。
本人が「機器で持ち上げられる」のではなく「機器を使って立つ」という意識になっていただくため、立ち上がりを誘導する動作を実現。
ロボット技術を活用しつつも、使用者には難しくないシンプルな機器としました。
3. 技術者として、ユーザーに向けたメッセージをお願いします。
人ひとりを持ち上げて他のところへ移動し、排泄介助などを行うのは大変に身体負担の高い作業です。移動や排泄介助ができなくなると、寝たきりになってしまうことがあります。
簡単に取り扱えるHugを利用することで、介護する方の負担が軽減されることはもちろんのこと、利用者ができるだけ長く快適に過ごすことができるように、活用されることを期待しています。