顕彰事業
(2020年)
第50回 機械工業デザイン賞IDEA 入賞
工業製品機械デザイン
油圧クローラドリルHCR1800-EDⅡ (古河ロックドリル)
新開発した油圧ドリフターによって、油圧クローラドリル「HCRシリーズ」最大の穿孔(せんこう)径152ミリメートルを実現した。高い直進性と素早い穿孔を可能にするとともに、本体のダウンサイジングも実現した。最先端の低燃費化技術により岩質に応じた適正なエンジン回転速度が選べ、燃料消費量の低減を達成した。
開発者コメント
生産本部 開発設計部 搭載機設計一課 主任技師 田里 佳久(たり よしひさ)
1. 開発の発端となった最も重要な課題はどのようなことでしょうか。
穿孔機の穿孔方式は穿孔径域で3つに分けられ、穿孔径φ127mm以下がトップハンマドリル、φ102~165mmがダウンザホールドリル、φ152mm以上がロータリドリルとされてきました。しかし、近年の燃費低減に対する市場要求の高まりを受け、よりシステム効率の高いトップハンマドリルによる大孔径対応(穿孔径φ152mmまで)が課題となりました。
2. 課題解決までのご苦労と、ブレークスルーのポイントをお教えください。
穿孔径φ152mm実現のためには打撃性能向上が必要となり、そこで従来に無い超大型高出力油圧ドリフタ「HD836」を新開発しました。また、搭載ロッドの大径・長尺化による重量増加に対応するため、強度と軽量化を両立させたワンアクション機構を持つ新型ロッドチェンジャも開発しました。
3. 技術者として、ユーザーに向けたメッセージをお願いします。
本機は、従来から定評のある基幹システムを基本として信頼性を確保しつつ、大孔径対応や燃費低減技術など様々な新技術を搭載した意欲的なモデルになっております。製品化に際し様々な現場でご使用、ご提案を頂いたことで製品化へ至ることができました。今後も継続的に製品価値を高め、採石・鉱山事業に貢献して参ります。