顕彰事業
(2020年)
第50回 機械工業デザイン賞IDEA 入賞
工業製品機械デザイン
製本工程の自動化を実現する断裁機 iCE TRIMMER HT-300 (ホリゾン)
印刷製本の最終仕上工程で本の三方裁ち処理をする断裁機。印刷製本業の自動化、省人化、生産性向上を推進する新商品群「iCEシリーズ」の第1弾となる。コンパクトな機械サイズのまま、同社従来品比で処理速度を4割向上。上流の製本機とのインライン接続によって本を自動投入するため、オペレーターを単純作業から解放する。
開発者コメント
コーポレートデザイン部 ブランドデザイン課 課長 剣持 真
1. 開発の発端となった最も重要な課題はどのようなことでしょうか。
【多品種少量生産と自動化への対応】
出版業界は、高い返本率など従来のビジネスモデルにおける課題を抱えており、ネット注文による新たなオンデマンド印刷サービスを行っています。一方、印刷製本業界は、職人の引退など人材不足によりオンデマンド印刷サービスに対応する工程が整っているとはいえない状況です。このような課題に対し、自動化を目指した新商品群「iCEシリーズ」を企画し、iCE TRIMMER HT-300を第一弾製品としました。
2. 課題解決までのご苦労と、ブレークスルーのポイントをお教えください。
【性能向上、連携、そしてデザイン】
断裁処理速度の向上と、製本工程全体の生産性向上を目指しました。総合製本機メーカーとして他の部署と連携しながら開発を進めることでこれらの課題を解決することができました。
デザイン上の大きなポイントはステータスライトです。複数の機器を担当するオペレータが、離れた場所から機器状態を把握できるようLEDを搭載しています。カバーを開けると白色の機内照明となり、作業性にも貢献します。
3. 技術者として、ユーザーに向けたメッセージをお願いします。
【身近なところにホリゾン製品とオンデマンド製本】
コロナ禍では、ヴァーチャルなコミュニケーションが注目された一方、リアルな本の重要性が再認識されました。オンラインで注文した書籍やフォトブック、通信教育の教材など、デジタル印刷技術の高まりにより書籍の多品種少量化やパーソナライズ化などが進みオンデマンド印刷・製本はますます必要となります。今後も総合製本機メーカーとしてお客様に貢献できる製品を提供して参ります。